青林檎日記

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戻り川心中

娘に勧められて読み始めたミステリー小説五作を収録した短篇集。
本は移動中や待ち時間にしか読まないので読み終わるのに半年くらいかかりました。
ミステリーと知らずに読み始めたので、まず謎解きの面白さに、
そして明治から昭和初期の黄昏た情景、淫靡と背徳の闇に浮かぶ華、
男女の情念の物悲しさの余韻に酔いしれる作品でした。

 「藤の香」
色街で起きた連続殺人事件。
色街、代書屋、祭という雰囲気が秀逸。

 「桔梗の宿」
遊廓で起きた殺人事件を廻る「八百屋お七」を模倣した切なく淡い恋の物語。
ただ容姿に自信のない主人公が眼鏡を外すと実はイケメン設定は蛇足な気が。

 「桐の柩」
あるやくざが兄貴分に命じられて起こした殺人事件の真相を解き明かす物語。
殺人者本人が主人公であり、なぜ殺人を犯さなければならなかったのかが物語の格となる。

 「白蓮の寺」
幼き日に母が何者かを殺すという記憶。
様々な人が語る言葉から記憶の真実に辿り着く物語。
母が殺した相手は誰だったのか?
見るはずのない火事の記憶はなんなのか?
母が睡蓮を土に埋めたのはなぜなのか?
謎解きが気になり一気に読み進めました。
ただ、冷静に考えると隣村の人の判断は正しかったと思う。

 「戻り川心中」
若い歌人が自身の二度の心中未遂事件を元に傑作歌集を生み出し、この世を去る。
その二度の情死事件とその歌集に隠された真相を解き明かす物語。
数度の心中未遂という単語が太宰を彷彿とさせ、当初はこの話を好きになれなかったが、
最後まで読み、事件の真相を知るととても感慨深い。

| 本・コミック | 14:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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